調査・体験日記① 東京ジャーミイ・ディヤーナト トルコ文化センター その1 (ハラルマーケット)
社会課題、環境問題、ユニバーサルデザインなど、さまざまな課題を解決するデザインについて、情報収集・取材・体験等を通じ明確化し、JPDAとして取り組むテーマをフォーカスしていきます
・多様性×パッケージの観点でハラル商品に注目し、東京ジャーミイ(東京ジャーミイ・ディヤーナト トルコ文化センター)第1回体験会を実施しました。
・トルコ文化センターのモスクで礼拝堂見学
■施設について
東京の代々木上原に、道路沿いに突然現れる異色のイスラムの建物。見学者もいますが、普段から利用している東京在住のイスラム教徒も多くいるようで、時間になると祈りが始まるなど外国を訪れたような異世界感がありました
教会内の装飾は圧巻、創造力が刺激されます。
お清め所や、礼拝堂内への入場、他では実現できない新しい体験や知識が満載でした。
ハラルとはイスラム戒律に即した食べ物や行動、服装など生活全般の指標
食べ物では、魚介類や野菜・果物などといったものがハラル 逆に豚肉やアルコール飲料などは禁じられている牛肉や鶏肉は食べてもOKとされているが、それにはイスラム法に則った食肉処理が施されている必要がある中東だけでなく、東南アジア諸国にも多く、日本で暮らすムスリムも厳格なルールに従って生活している
2022年時点で世界人口の22%がムスリム、2030年にはキリスト教徒総数を超え世界一となるムスリムにとってハラルを見分ける目印となるのが「ハラル認証マーク」
出典:
①(一社)ハラル・ジャパン協会 https://jhba.jp/
②「ハラルマーケットがよくわかる本~イスラム巨大 市場を切り開くパスポート~」総合法令出版 2013年
③ 2022年版「ムスリム500」
https://themuslim500.com/books/The%20Muslim%20500%202022%20edition%20-%20Free%20eBook.pdf
■ハラル認証マークについて
出典:(一社)ハラル・ジャパン協会 https://jhba.jp/
ムスリムにとって食品をはじめシャンプーや化粧品など生活必需品を購入する際の判断材料となる
世界的な統一基準はなく、現在世界で300以上、日本でも30以上の認証機関が存在する
■商品(パッケージ)について
売店が施設内にあり、イスラム教徒の方々の食材仕入れ先となっているようです。ハラル認証されていない食品も売られています。
例1)東京ジャーミイで購入した日本製ハラルフードのハラル認証マーク
ハラルマークは統一されていないので同じ売り場にいろいろなデザインが存在していました。文字の羅列を用いたデザインが多いようですが、シンボリックなデザインを施してマーク化し、統一したら認識しやすいと思いました。
例)東京ジャーミイで購入した日本製ハラルフードのハラル認証マーク
お菓子、お茶類、調味料が多く、その他の食品やシャンプーや基礎化粧品などの製品の種類は少ない印象です。肉類は完全にNGだと思っていたので、取り扱いが多くて驚きました。
トルコアイスは、意外に食べやすく繊細な味。パッケージの構造に特徴があり、開ける時は、ヘリの一部を剥ぎ取り、そこに指を入れて開けるようになっています。スプーンは、上フタ内に格納されていて、少し外しにくかったです。売店横には自由に使える談話室の様な空間があり、食事も自由に楽しめます。
世界人口中16億人(2010年)が信仰するムスリム文化に根ざすハラルフード体験を通して、あらためて世界の文化の多様性を認識する機会となりました。再訪の際には施設の方の解説を聞き、より理解を深めたいと思っています。
(調査研究委員会 やさしいパッケージ分科会:小林絵美、鈴木樹子、丸本彰一、三原美奈子)