情報の森コラム

ごみのリサイクルセンターと最終処分場を見学してきました <PART 2>

[やさしいパッケージ分科会] 2023.10.13

今回は前回のリサイクルセンター見学レポートに引き続き、私たちが日ごろ関わっている容器包装が、ごみの焼却施設で焼却されたあとの焼却灰を処理する最終処分場の見学レポートです。
訪問日:2023年5月25日

二ツ塚処分場(東京たま広域資源循環組合)


最終処分場は市内からほど近い山中を切り開いた場所にあり、一般道から分岐してすぐの管理事務所で入場許可を得たのち、400mにもおよぶ長いトンネルを抜けた先にありました。管理する東京たま広域資源循環組合は、1980年に一般廃棄物最終処分場の設置と管理を事業目的として設立され、多摩地域25市1町で構成されています。(事業概要2023より一部抜粋)
今回見学させていただいたのは、現在最終処分場として使用している「二ツ塚処分場」とその敷地内にあるエコセメント化施設、および1998年4月に埋め立てを終了した「谷戸沢処分場」の3カ所です。

二ツ塚処分場は周囲を山に囲まれ、広大な敷地が広がり、中心にエコセメント化施設と埋め立てのためのくぼ地(写真手前)や防災調整池、浸出水処理施設など様々な施設が置かれています。

二ツ塚処分場は谷戸沢処分場に代わって1998年1月から可燃ごみの焼却灰と破砕された不燃ごみの搬入が始まり、2006年7月にはエコセメント工場が稼働しています。

エコセメント化施設の中に入ると、持ち込まれた焼却灰の受け入れピットではガラス窓も向こう側で巨大なUFOキャッチャーのようなクレーンが動いていました。

持ち込まれる焼却灰は、乾燥させ鉄やアルミなどを回収したのち、様々な工程を経てエコセメントに生まれ変わり、建築資材やU字溝、公園のベンチなどに利用されています。

可燃ごみの焼却灰がエコセメントに生まれ変わる一方で、不燃ごみについてもリサイクルの進展とともに処分場に持ち込まれる量が年々減少し、2018年からは埋め立てゼロが続いているとのこと。
エコセメント化施設見学の後は、施設の敷地を出て、一般道を隔てた反対側に位置し、1998年に埋め立てが終了した「谷戸沢処分場」に向かいました。谷戸沢処分場は一面が緑に覆われ、サッカー場や貯水池、ビオトープなどもあり、かつてここがごみの埋め立て地であったとはまったく想像できません。
しかしながら、埋め立てが終わったとはいえ、循環組合では維持管理を続けており、動植物など生態系のモニタリング調査も行われています。またこの処分場が稼働していた頃は、エコセメント化施設もなく、可燃ごみの焼却灰と不燃ごみが埋め立てられ、わずか14年間で満杯になってしまいました、

また、地中にそのまま埋められたごみは25年経つ今も発酵、分解を続けており、地中の温度は40℃にも達しているとのことでした。

<見学を終えて>
処分場の周辺には、周辺環境への影響を最小限にするための緩衝帯として、緑地が設置されており、施設に入る際にくぐってきた長いトンネルの意味が理解できました。焼却残渣に含まれる金属類はエコセメント化施設で回収された後、民間事業者に売却し、リサイクルされ、粉塵は集塵機で集められ、場内および周辺の水質や大気、土壌は絶えずモニターされ、地元の方の週3日の監視活動の対応など、キメ細やかで徹底した環境や住民への配慮が非常に印象に残りました。

欧州を中心に進む、サーキュラーエコノミー(循環型経済)のための容器包装への規制や、リサイクル動向をみるにつけて、また日本の焼却による処理方法が、地球温暖化対策に消極的と批判されていることから、見学前は正直、日本は遅れているのではないか、といった先入観を持っていました。しかしながらリサイクルセンターと最終処分場を合わせて見学したことで、焼却に回されるものはリサイクルに回せなかった最低量のもので、そこから排出される焼却灰すらセメントとして再利用されていること、そのためこの5年間はまったく埋め立てするものも残らない、といった現状を知り、生活者レベルの分別意識の高さから始まり、キメの細やかな分別、再利用の実態をみると、もっと日本のリサイクルのあり方を外に発信していってもよいのではないか、と感じます。また、パッケージに関わるものとして、設計し、デザインし、生産し、利用し、流通しているパッケージが、役割を終えて生活者の手を離れても、単にごみとして捨てられることなく、分別しやすく、再利用して資源として循環できるものにしていく責任を感じています。

最後に、処分場の広大な敷地や施設をご案内くださいました、東京たま広域資源循環組合の関谷様、黒澤様をはじめ皆さま、大変お世話になりました。改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

JPDA調査研究委員会 やさしいパッケージ分科会:
桑 和美、桑原麻理子、小林絵美、齋藤郁夫[記]、鈴木樹子、福本佐登美、三原美奈子

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