ユニバーサルデザイン

UDをとりまく法令や標準(規格)

ユニバーサルデザインに関する法令や標準(規格)について簡単にまとめました。
ユニバーサルデザインを構成する主要素であるユーザビリティ・アクセシビリティに関する法令・標準については、いくつかの種類が既に存在しており、代表的なものは以下のようなものです。

■法律・法令(日本)  バリアフリー法 / 障害者差別解消法
■リハビリ3法(USA)  ADA / FCC255 / リハビリテーション法508条 
■標準規格  ISO9241-11 ISO13407(JIS Z8530) / ISO/IEC Guide71(JIS Z8071)
■包装・容器に関する規格  JIS S 0021 / JIS S 0022 / JIS S 0022_3 / JIS S 0022_4
■表示に関する規格  JIS S 0031 / JIS S 0032 / JIS S 0033
■建築環境に関する規格  JIS T 0921 / JIS T 0922
■操作性に関する規格  JIS S 0011 / JIS T 0923
■情報に関する規格  JIS X 8341

 

UDをとりまく法令や標準(規格)

バリアフリー法

正式には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」という長い名前の法律。通称バリアフリー法、2006年12月に施行され、その後改正されています。
全ての人が暮らしやすいユニバーサル社会の実現を目指し、一体的・総合的なバリアフリー施策の推進、ハードのみでなくソフト面での施策の充実、利用者視点の反映の3点を重視し、既存のハートビル法、交通バリアフリー法を統合する形で策定されました。

詳しくは国土交通省のウェブサイトを参照ください。
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/index.html

障害者差別解消法

国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、2013年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定され、2016年4月から施行されました。

詳しくは国土交通省のウェブサイトを参照ください。
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_tk_000062.html

ADA

正式名称「Americans with Disabilities Act:障害を持つアメリカ人法」
1990年に成立。アメリカ社会における障害者に対する差別を撤廃することを目的としており、次の4つの分野における障害者への差別を法律で禁止している。
①雇用、②公共サービス、③民間事業体によって運営される、公共性のある施設・サービス、④電話通信

FCC255

正式名称「米国連邦通信法255条」
通信機器および通信サービスを、障害を持つ人にもアクセス可能にすることによって、就職、独立した生活、緊急時の連絡、教育における機会均等を目指す法律。

リハビリテーション法508条

連邦政府内の電子情報技術を障害者が使えるようにして障害者の雇用を拡大させることを目的としている。障害者の雇用を創出するという面からも重要な意味を持っている。
この508条に基づき、電子情報技術アクセシビリティ基準と調達規定が定められている。

ISO9241-11

ユーザビリティの定義についての国際規格。ユーザの行動と満足度による、ユーザビリティの規定または評価について説明されている。

ISO13407(JIS Z8530)

1999年に制定された人間工学分野の国際規格で、人間中心設計プロセスを定義。
「ISO13407」の日本語訳が「JIS Z8530」。

ISO/IEC Guide71(JIS Z8071)

高齢化の進展に適合した製品・サービス開発の新しい国際標準作りを目的に、2001年制定、「高齢者および障害のある人々にとって必要とする事項について規格作成時に配慮すべき指針」。日本発の標準規格として話題になりました。内容はアクセシビリティに関する国際規格を作成する場合のガイドラインになります。

共用品推進機構のウェブサイトに解説があります。
http://www.kyoyohin.org/06_accessible/06000000_guide.php

JIS S 0021

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 包装・容器」
消費生活製品の包装・容器(袋を含む。)について握力の低下又は視力の衰えが見られる高齢者,視覚障害者を含むすべての人に対し,使用における識別性,使用性の向上を目的として配慮する設計指針について規定。

JIS S 0021 / 0022 / 0022-3 / 0022-4 / 0025について、共用品推進機構のウェブサイトに解説があります。
https://www.kyoyohin.org/ja/research/japan/ad_jis_5.php

JIS S 0022

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 包装・容器 ― 開封性試験方法」
握力の低下が見られる高齢者を含むすべての人が使用するJIS S 0021に規定する消費製品の包装・容器(袋を含む。)の開封性を試験する方法について規定。

JIS S 0022-3

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 包装・容器 ― 触覚識別表示」
消費生活用製品の購入から分別及び排出までの日常の活動において,視覚障害者をはじめ多くの人々が,製品を間違いなく識別できるようにするため,包装・容器に触覚識別表示を付けるときの配慮すべき設計指針について規定。

JIS S 0022-4

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 包装・容器 ― 使用性評価方法」
高齢者及び障害のある人々を含む多くの人の立場で,消費生活用製品の包装・容器の購入から分別・排出までの各段階における,使用性を評価するための方法について規定。

JIS S 0031

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 視覚表示容器 ― 年代別相対輝度の求め方及び光の評価方法」
若年者から高齢者までの年齢の観測対象者が光源及び物体を見るときの,光の視覚的効率及びそれに基づく視認性を,対象者の年齢を考慮した年代別相対輝度を用いて評価する方法について規定。

JIS S 0031 / 0032 / 0033について、共用品推進機構のウェブサイトに解説があります。
https://www.kyoyohin.org/ja/research/japan/ad_jis_2.php

JIS S 0032

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 視覚表示物 ― 日本語文字の最小可読文字サイズ推定方法」
若年者から高齢者までの任意の年齢の観測対象者(対象者)が,様々な環境下で平仮名,片仮名,アラビア数字,及び漢字の日本語文字の1文字を読むことのできる最小の文字サイズの推定方法について規定。

JIS S 0033

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 視覚表示物 ― 年齢を考慮した基本色領域に基づく色の組合せ方法」
一般の視覚表示物に用いられる表面色について,JIS Z 8102に示された無彩色を含む基本色の領域を,明所視及び薄明視並びに若年者層及び高齢者層の各条件において,JIS Z 8721に規定された三属性による色の表示方法に従って示し,これらの基本色領域に基づいて,看板,標識などの視覚表示物の設計における識別性の高い色の組合せを作成する方法について規定。

JIS T 0921

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 点字の表示原則及び点字表示方法―公共施設・設備」
視覚障害者が,公共施設・設備(乗り物などを含む。)及び公共的空間を利用し移動する場合,安全,かつ,円滑に行動できるために,施設・設備の利用・操作方法などの情報伝達手段として用いる点字の表示原則及び点字表示方法について規定。

JIS T 0922

不特定多数の人が利用する施設・設備及び移動空間を視覚障害者が安全で,かつ,円滑に移動できるように,施設・設備及び移動空間の位置情報を提示する触知案内図の情報内容及び形状並びにその表示方法について規定。

JIS S 0011

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 消費生活製品の凸記号表示」
消費生活用製品の電気操作スイッチをもつ様々な消費生活製品の操作部に視覚障害者や視力の衰えが見られる高齢者をはじめとするすべての使用者の操作性を向上することを目的として付す凸記号表示を表示する場合の指針について規定。

JIS T 0923

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 点字の表示原則及び点字表示方法―消費生活製品の操作部」
視覚障害者が日常生活で家電製品、衛生設備機器、燃焼機器、住宅設備機器、情報通信機器・事務機器、計量機器、電動玩具などの消費生活製品を安全で、かつ、円滑に使用できるように、製品の操作にかかわる情報伝達手段として点字を用いる場合の表示原則及び点字の表示方法について規定。

JIS X 8341

「高齢者・障害者配慮設計指針 ― 情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス第1部- 共通指針」
高齢者,障害のある人々及び一時的な障害のある人々が,情報処理装置,電気通信機器,事務機械などの情報通信機器,ソフトウェア及び様々な情報通信技術によって実現されるサービスを利用するときの情報アクセシビリティを確保し,向上させるため,ハードウェア,その使用方法としてのソフトウェア及びサービスに関して,企諱E開発・設計するときの指針として基本的に配慮すべき事項について規定。


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