デザインの権利と保護

Vol.135 「Adobe Stock に聞く!ストックフォトの今とこれから」セミナー報告

2024.11.27

デザイン保護委員会では、これまでに知的財産の保護に関する様々なセミナーを数多く実施してまいりましたが、デザインの制作現場での知財の疑問に対応する基本的な学びの場として位置付け、毎年連続開催していくことになりました。
今回はパッケージデザインの制作現場で日頃から利用する機会が多いストックフォトについて、講師にアドビ株式会社の川島様、大木様のお二人をお迎えして、ストックフォトの基礎的なお話からAdobe Stockのライセンスの違い、条件などストックフォトを安心して活用するポイント、およびAdobe Stockの画像と現在導入が進んでいる生成AIとの関係について解説していただきました。

日  時:2024年7月5日(金)15:00~17:00
参加方法:ZOOM
講  師:
アドビ株式会社 デジタルメディア事業統括本部 営業戦略本部
Creative Cloud Specialist/担当部長 川島 修治様
GTMマネージャー 大木 慧様
実  施:JPDAデザイン保護委員会/ 協力:JPDA事務局
参 加 者:84名(会員73名、一般8名、学生3名)

セミナー概要:

ストックフォトは、広告や販促物、出版物や販売商品など様々な用途に利用されること想定し、事前に制作された写真やイラスト素材を提供するサービスの総称です。
時間がない、予算がない、撮影できないなどの時に便利ですが、ここで販売されているのは著作権そのものではなく、著作物を利用する権利であり、ストックフォトを利用するためには配慮しなければならないポイントがあります。
今回のセミナーでは、アドビでしかできないストックフォトサービスの数々をご紹介しながら、利用にあたって留意するポイントとして、ライセンスの範囲や条件などを解説していただきました。また普及著しい生成AIを使った画像生成に関する商用利用にあたっての著作性についても最後に触れています。
今回のセミナーはすべてZOOMから視聴いただいたため、その場の参加者の皆様からの反応やご質問をじかに受けることができないため不安に感じておりましたが、2時間という長いセミナーでもほとんどの方が途中退出されることなく最後までご視聴いただくことができ不安は杞憂におわりました。
また、途中数件ZOOMチャットからいくつかの質問をいただきましたが、その場でご回答ができないため、終了後に配信したアンケートにてご質問をお受けすることにしました。
以下はアンケートに寄せられた設問に対する集計、および自由回答としていただいたコメントを中心にセミナーを振り返ってみたいと思います。
(報告者 デザイン保護委員会/齋藤 郁夫)

セミナー後のアンケートについて

セミナー参加者84名のうち、54名の方からアンケートに回答がありました。参加者の内訳はJPDAのHPからの募集でしたのでデザイナーの方が最も多いのは想定通りでしたが、メーカー、印刷・広告代理店が続き、コンサルや弁理士など専門家の参加もありと多岐に渡っています。
参加者の方の仕事の経験年数は10年以上のベテランの方が約7割を占めていました。その中で今回のような知財関係のセミナーへの参加が初めてという方が7割と、これまで開催したセミナーが比較的若い方の参加が多かったのに比較し、実務経験の長い方の関心が高かったことが印象的です。

セミナー内容に関する回答も「業務に役立ちそう」「分かりやすかった」というご意見が大半を占めており、講師の方が準備された、ビジュアルを中心に構成された分かりやすく実務的なプレゼンテーションのおかげと感謝しております。

フリーコメントにもたくさんのご意見をいただきましたので一部をご紹介いたします。

「安全な商用利用について考える良い機会になりました。落とし穴が沢山ありそうなストックフォトや生成AIの活用ですがAdobeでのワークフローの統合が生成AIでも容易とのことで前向きになれるお話しでした。」

「Adobe Fireflyはこれから使用が増えてくるのでクライアントとの使用方法や契約などの必要性が確認できて良かった。」

「コンテンツ内容や使用方法など少し長く感じた。制作会社側の視点で事例も含めた権利周りの詳細をもう少しお聞きしたかった。」

「生成AIの画像の作り方についてもっと時間が欲しかった。現在進行形の技術だと思うので次回は生成AIのセミナーをやって欲しい。」

「Adobe Stockについて理解を深めることができた。ストックフォトを提供する会社によって規約が異なっているとのことだったので、自分がよく利用しているストックフォトについても規約をキチンと確認しようと思うきっかけになった。」

「セミナーで専門の方のお話を聞くことで、デザインを制作する際に利用しているサービスやソフトについても関心が高まると感じた。今後も様々なセミナーに参加したい。」

「生成AIについてもっと使っていきたいと考えていたが、生成AIに対して不安を感じていたところがかなりクリアになりました。」

・・・など、貴重なご意見をありがとうございました。

アンケートの最後に「お聞きしたセミナーで今後取り上げてほしいテーマがあればおしえてください」 という設問では、複数回答可としていたこともあり、多岐に渡るご要望がありました。

いただいたご意見やアンケート結果は今後のセミナーの進め方、テーマを考える上で参考にしながら一層有益なセミナーをご提供できるよう努めてまいります。
セミナーご参加の皆様、アンケートにご協力いただいた皆様にあらためて感謝を申し上げます。ありがとうございました。

JPDAデザイン保護委員会:
稲垣幸美、大谷啓浩、竹内清高、徳岡健、山本典弘、齋藤郁夫[記]

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