ごみのリサイクルセンターと最終処分場を見学してきました <PART 1>
やさしいパッケージ分科会では、社会課題・環境問題・ユニバーサルデザインといった「さまざまな課題を解決するデザイン」を、「社会に・環境に・人にやさしいデザイン」と総称し、その中からJPDAとして取り組むテーマを絞り情報収集・取材等を行っています。
今回は私たちが日ごろ関わっている容器包装が、用途を終えたあとの行き先や処理のされ方を知るため、家庭ごみのリサイクルセンターと最終処分場を見学してまいりました。
見学日:2023年5月25日
青梅市リサイクルセンター
青梅市内にある「青梅市リサイクルセンター」は、燃やさないごみと粗大ごみの中から再生可能なものを回収し、資源のリサイクルとごみの減量(減容)を目的として1984年4月に稼働しました。(HPより抜粋)
施設のトラックの入り口には巨大な台秤(トラック下の緑色の部分)があり、搬入にきたトラックはここで重量を量り、出口にある同様の台秤で再度重量を量ることで、その差から搬入したごみの重量が記録される仕組みです。
持ち込まれたごみのうち、家庭から出された容器包装プラスチックごみ(有料の紫色の指定収集袋に入れて指定日に回収)は、バケットフォークリフトで破袋機に投入後、2階の選別ラインまでコンベアで上げられ、人手で異物を除去したのち、圧縮してキューブ状にして市外にあるプラスチックの選別、再生工場に運ばれます。
圧縮され立方体(キューブ)状にまとめられたプラごみは市外(他県)にあるプラスチック資源再生工場でさらに手選別と比重選別、機械選別等で利用可能なプラスチックに再生されています。
*注:一つの立方体の重さは約250kg
運び込まれたペットボトルも同様に圧縮してまとめられ、市外の処理施設でPETのペレットに再生されペットボトルや食品トレイの原料として再利用されます。
*注:圧縮してバンド等で梱包し、俵状にしたものを「ベール」と呼称しています。一つのベールの重さは約30kgあります。
なお、ここで集められたペットボトルは家庭から出されたもので、キチンと洗浄されており臭いもなく、ラベルもキャップも除去されており透明で、ごみを分別廃棄している市民の意識の高さが感じられました。
ガラスびんは、色別に手作業で選別されています。粗大ごみは再生可能な金属類を手作業で取り外し、残りは粉砕して燃やすごみとして処理されます。その他、持ち込まれる資源ごみとしては、剪定された枝や陶器類があります。剪定された枝は細かく砕いてチップにします。チップは畜産で出た糞等と混ぜて堆肥として利用できます。陶器類はリサイクルセンターで異物を除去した後、市外の処理施設で粉砕したのち人工砂として利用されています。
<まとめ>
青梅市リサイクルセンターに持ち込まれた家庭ごみのうち、容器包装プラスチックごみは年間1,700トン。うち日本容器包装リサイクル協会を通して再商品化事業者に送られ約1,400トン(約80%)が再利用されているとのこと。(中間処理施設の位置づけ)。この数字は当初予想していたものを大きく上回っていましたが、それは家庭ごみを出す市民の方の環境意識の高さによるもので、見学中も異臭や粉塵が全く感じられなかったことからも窺い知ることができました。また、予想と違って人手による作業が多いように感じましたが、異物の種類の多さや汚れの有無等、機器で選別できないことも人手に頼る要因となっているようです。
印象に残ったのは「混ぜればごみ、分ければ資源」という言葉です。まさに容器、包装を製造する側、利用するメーカー、ごみとして出す消費者、それぞれの意識と行動が一体となり、取り組むことが、ごみとなるか、資源となるかにかかっているということが良く分かりました。
お忙しい中、施設のさまざまな設備、工程を丁寧にご説明、ご案内いただきました青梅市リサイクルセンターの半沢様、槻(けやき)様、ありがとうございました。
<PART2>に続く……(近日公開)
調査研究委員会 やさしいパッケージ分科会:
桑 和美、桑原麻理子、小林絵美、齋藤郁夫[記]、鈴木樹子、福本佐登美、三原美奈子