リサーチ & 研究報告

ニッポンのパッケージデザイン<2015年度調査>デザイナー調査
I.全体概要 ~特産品開発におけるパッケージデザイナーの実態と役割~

◆はじめに

「パッケージデザインは楽しい」今回の地域在住のデザイナー電話アンケート調査で、そんな言葉を聞くことが出来ました。公益社団法人 日本パッケージデザイン協会(JPDA)の会員数は820名(平成27年4月現在)、その9割近くが東京、大阪、名古屋、横浜などの都市部に在住し活動を行っています。それは、たぶん企業の商品開発部の多くが都市部に集中していることが原因だと思われます。しかし、ここ数年、インターネットの普及や、政府の成長戦略の一つとして地方創生があげられていることもあり、地域からのパワーを本当に強く感じています。そこで、2013年にJPDA調査研究委員会は、パッケージが地域を活性化する中で、どのような役割を担っているかを知るために「ニッポンのパッケージデザイン調査」と題し、地域特産品を開発する事業者を対象にパッケージデザインの調査を行いました。その結果、地域の特産品開発にデザイナーが深くかかわり、重要な存在になっていることが明らかとなりました。では、そんな地域在住のデザイナーは、都市部とは全く違う環境の中で、どのような活動をして、何を感じているのでしょうか。それを知るために行ったのが、このデザイナー調査です。対象者の絶対数が少ない中でどのようにしたら貴重な意見を聞くことができるのか、試行錯誤の上、電話による聞き取り調査を行いました。成功事例を中心に事業者や行政との関わり方、地域貢献、役割など、地域の活性化や貢献のためにパッケージデザインやパッケージデザイナーが果たす役割について、いろいろな話を聞くことが出来ました。

地域で活動されるデザイナーの方々はもちろん、地域で商品開発やパッケージデザイン開発をご担当されている事業者や行政の方々、また、都市部で活躍されるデザイナーの方々にも参考にしていただける報告になったと思います。「パッケージデザインは楽しい!」皆さんも、そう感じていただけると幸いです。
 

◆地域デザインの特性とデザイナーの役割

地域に拠点を置き、特産品など商品開発に携わるデザイナー、ブランド開発デザイナーを対象に、2015年3月2日〜3月10日の間に電話アンケートを実施いたしました。今回のアンケート調査で得た、具体的な事例や課題解決事例から地域ならではの活動の実態や特性、地域での貢献や役割を探ります。デザイナーの発言を中心にテーマ毎に整理しています。
 

◆委員によるアンケート後の座談会

電話アンケートを担当した調査研究委員会メンバーで座談会を行いました。地域ならではのデザインの進め方、クライアントとの関係、成功事例やそれらの共通点などについて意見交換をしました。
 

◆地域デザイナー開発事例

今回のデザイナー調査をとおして収集した地域のパッケージデザイン事例です。その発想のポイントと効果をご紹介します。これら事例と調査以前に収集した事例も掲載しています。
>>> 【情報の森】パッケージデザイン開発事例
 

◆商品開発とパッケージデザイン…そのプロセスとポイント & 参考情報

クライアントとデザイナーの共通認識を図る上での参考情報として、商品開発のプロセス、パッケージデザインの役割などベーシックな内容に触れています。また、「パッケージデザイン制作シート」の一例やパッケージデザインに関する参考資料、関連リンクも紹介しています。
 
2015年12月掲載 調査研究委員会
担当理事:加藤憲司/桑 和美
担当委員:足立美津子/有吉みよ子/石川竜太/氏原文子/梅原 真/小川 亮/巨椋栄蔵/金澤和彦/齋藤郁夫/佐野良太/高田知之/立花かつ子/中越 出/西島幸子/はちうまみほこ/福本佐登美/藤森 宏/丸本彰一

ニッポンのパッケージデザイン<2015年度調査>デザイナー調査

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